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禅とギターとミクさんと

Serial experiments lainを見ての感想

最近このアニメをおすすめされてちょっとだけ見てみようと思ったらガッツリハマってしまいました。もう20年くらい前の作品ですが、今見るとものすごく作り込まれていると感じでイッキ見しています。

当時は初代iMacが登場した時期だったり、the秋葉原がナードでオタクな街だった時の話で非常に面白いです。

10年代以降でこういった哲学的な内容だったり、断片的にストーリーがつながっていくような大人が頭を使って楽しめるコンテンツが減ってきているので世界観が独特の作り込まれた話がもっといっぱい増えるといいなと密かに思っていたり。

円盤が売れないからあまり放送されないのかな商業的には

90年代のアナログ感とインターネット初期のアンダーグラウンドが世界が堪らない作品

まだPCのディスプレイがCRT方式でごっついブラウン管の時代、まだまだネットの常時接続が10万円とか超高額でまだADSLとかも出ていなかったときですね。

自分がインターネットに初めて遭遇したのが2000年代だったのでこの当時に今の時代で当たり前になっている技術をイメージして作品が作られていることに一種の驚きを感じます。まさに「予言を実行せよ」が本当になったよう(作品内の意味とは違いますが)

まだオタクな人たちしかネットの世界にいなかった時代で、この時代のホームページとかすごく面白かったんですよね。今でこそ常時接続は当たり前にでスマホみたいな移動するすごい速度で通信する端末があったり、デザインセンスがあるブログとかWebページを簡単に作れる時代になってきましたけど、あの時のちょっと生っぽい感じはそれはそれで良かった記憶があります。

「ワイヤードはあくまでも情報を伝達し、 コミニュケーションする為の空間。リアルワールドと混同してはいけない。---忠告の意味...判るかな...」 「違うよ、そんなに境界ってはっきりしてないみたいだよ...もうすぐ中に入れるんだよ...フルレンジ、フルモーションで 私をメタファライズして...」

90年代独特のサイケでHackkyは表現方法が使われいるものの、サイバーパンクみたいなゴリゴリSFではない絶妙なバランスがいいなと思いました。

初期セカイ系アニメの形而上学的な考えと自己という存在の問い

90年代を代表するアニメといえば「新世紀エヴァンゲリオン」ですよね。

それ以外にも90年代アニメといえばセカイ系というイメージが僕の中にはあります。時代背景がバブル崩壊だったり就職氷河期だったりと闇の時代が続いたせいなのか自分とは何かという問いを持つアニメが多く作られた年でもあったのかなと思います。

「ワイヤードの中に、あたしがもう一人いるかどうか、それはあたし には判らない。 でも、このリアルワールドにあたしがもう一人いるなんて事は絶対に無い」

この作品も主人公の主観によってエピソードが構成されており、リアルとバーチャル、主観と客観で存在する自分という存在をNAVI(この世界のPC)を通して自分だけの世界から見ているような作品です。

このモラトリアムにとらわれて灰色に見える世界の中で自己を見つめるという時間がとても気だるく、仄暗い温かみが旨にじんわりと来るのは自分もそういう時期があったせいかもしれません笑

これはこれでいいんですよね。このまどろみの中にいる感じが

今はいまでいいことがあるけど昔の世界を見るのもいい

技術はどんどん進化していって今まで加速度的に実現可能になっていることが多くある世の中ですが、こういったアナロジーで生っぽい時代を懐かしむのもいいなと思いました。

単に作画が古いということを言うのではなくそれも含めて味がある作品なんだなと思います。

いつの時代もいいものはいいということですね。