自分が禅をやっている大学の学生なのでこれは紹介しないとと思った一冊です。
作者は安泰寺という禅寺の住職をやっているネルケ無方さん ん?ネルケ無方?って思う人もいると思いますが、実は日本人ではなくドイツ出身のお坊さんなんです。 しかし侮ることなかれ、16歳の時に禅と出会ってその後京都大学に留学、学業と修行の二足わらじの生活を経て 出家得度(お坊さんになるための儀式)をして現在の住職さんになったすごい人なんです。 そして禅僧なので毎日が修行、自給自足の生活を送っている超ストイックな方です。
では本題にいきましょう。
生活そのものが修行それが禅の教えである
仏教というとお坊さんが経典を読み、滝に打たれたり坐禅したりすることが修行だと思いがちですが、禅の修行とは仏の教え(仏法)に沿って生活することが修行と考えられています。
つまり生活の中で常日頃、仏の教えを実践していいるのかが大事だということですね。
キーワードは「自分を手放す」こと
これは宗派にもよると思いますが禅の基本的な考え方の一つに
「指月の法、人生そのものには特に意味などない。」
というのが基本的な考え方の1つにあります。
なので別に修行したからといって何かを得るということもないそうです。何か不思議ですね。
それでも何故座禅を組むのかと聞かれると組んでいる間は世の中との関係を一時的に断ち、悟りの状態になるからであるだそうです。
しかし、普段の生活の中で当てはめてみると、優劣を競い合ったり、他人との比較には意味がないというのも考え方の一つなのではないかなとも考えることができます。
そういった意味では、他人を気にする自分を手放し生きて行くというのは悟りに近いのかもしれないですね。
自分の人生はあなたしか生きることができない
テクノロジーが発達し爆発的な情報の拡散とロボットによる自動化によって人間のライフスタイルは従来のものから劇的に変化しました。
それに比例していろんな楽しみや悩みも爆発的に増えてきています。
ただ変わらない本質といえば自分の人生は他人が代わりに生きることができないということですね
この本の重要な点としては自分自身を心の拠り所にすると自由の意味も自ずと分かるという点です。
なんだか言っていることが違うのではないかと思いところもあると思いますが、別にわがままを肯定してるわけではなく
価値の基準を他人に依存しなくて良いということが重要なポイントなのだそうです。
実はみんな知らない普段使っている仏教用語
日本人は普段意識していないと思いますが、実はこんな日常で使われている言葉は仏教由来のものなんです。
- 挨拶
- 大丈夫
- 愛
- 自由
- 縁起
- 無
- 以心伝心
- 一期一会
どうでしょう、普段使ってるけど言葉の意味って意識したことってないですよね?
一つ一つに意味があるのでそれはこの本を読むと様々な発見があると思います。
僕も実際に大学で勉強するまで全然知らなかったです。
よく先生に「言葉の意味をしっかり考えてみることが学問の第一歩なんだよ」
と教わってから辞書引きしたり普段の使われ方を意識してからは結構発見がありました。
まとめ
この本の重要な点は
言葉の意味を知り実践することが禅
というメッセージが込められている一冊です。
お坊さんの言葉はやはりありがたいですね。
僕も結跏趺坐できるように柔軟運動から実践しようかな