
- 作者: ジョン・カウチ,ジェイソン・タウン,花塚恵
- 出版社/メーカー: かんき出版
- 発売日: 2019/03/18
- メディア: 単行本
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教育にMacというのが大賛成派な人間なのでミーハーで買ってみたのだけれど、内容は普段から考えていることの具体的な例だったりエッセンスが詰まっていて非常にいい本だなと思った。
スティーブ・ジョブズがMacと教育で目指していたものとは?
Appleは特に教育関連の分野において様々なコンテンツを用意しているので有名な会社ですが、教育に力を入れたのはジョブズがNextの開発をしていたときくらいからなのかなたぶん。
その時代はまだメインフレームみたいな大型コンピュータを企業が持っていて使っている時代だったらしいけど
「コンピュータを一人1台持てる時代がもうすぐやってきてこれを使うと飛躍的に勉強する効率があがるんだ」
と、ガッツリ信じていたらしい。
実際に今の世の中はコンピュータを当たり前のように所有しているし
大学のレポート作成なんか
「Wordで持ってきてくだいさいね、手書きじゃなくて」
みたいな世の中になったし
そういう意味では昔ジョブズが思い描いていたビジョンが現実になったのかなって思った。
従来の教育から新しい教育になるには何が必要?
その意味で、教育のリワイヤリング、つまり教育ってものの定義をもう一度見直す必要が出てきた時代になったというのがこの本での言いたいこと
いい面は、自分のように「学校の勉強が苦手」な人でも自分のやりたいことや興味のあることをどんどん突き進めていってもいいよーという世の中になりつつあるということ
よくない面は、従来的な価値観の社会で子供時代を過ごすとものすごく社会に出たときにギャップを感じてしまうのではないかということ(この本ではそんなに言及はないけど)
この本ではその要素が章立てで分かれて書かれていて、興味のある部分だけ掻い摘んで読んでみるのもいいかもしれない
あるお金持ちが発見してしまったこと
従来の教育ってなんのためにあるの?って考えたときにこんな要素があるよねということに気がついた
- 評価するにはテストをしてその点数で褒めたり叱ったりしていた
- いろんなルールを作ってみんなを同じようにしようという謎の常識があった
- 基本的には上位の学校に進学することが進路だと信じ込んでいる
これって結果的には工場で商品を検品するのと非常に似ているよねってこと
- 商品は一定の基準を満たしたものだけを選別したい、だからテストをして合格になったものだけを出荷する
- 商品に不良品があってはならないので、なるべくどんなひとでも同じようにできるようルールを作って管理する
- 商品開発には上流工程(デザイン)によって商品の生産が決まるので上流を皆目指そうとする。
どうだろう、ちょっとMECEで考えてみたけど
こういった工場管理の考え方は、経営学とか知っている人にはおなじみ「フレデリック・テイラー」の著書「科学的管理法」が元になっている
でそれを読んだお金持ちというのが当時の石油王ロックフェラー
本人がどう思っていたのかは知らないけれど、実際に一般教育の協会の立ち上げに参加したり積極的にこうった教育を進めようと思った人物であることは確かだと思う
内心「どうやったら自分は儲けつづけられるのか?」ということを考えた結果
「あ、工場で働く人間を増やして競争相手をすくなくすればいいんだ」という結論にたどり着いたらしい
確かに平均的な人間を増やせば競争力のある人間を相対減らせるというのは事実なんだと思う、いいことかはわからないけど
当時のアメリカ経済や高度経済成長時代の日本ではその教育は結果としてうまく行っていたということを考えれば、当時の経済の流れとしては一番最適化されていたのかもしれない
だから、当時のいい部分を知っている人達からすると「なんで今さら教育を変えたりしないといけないんだ」ってことになるんだと思う。
やってくるAI時代から先では何が必要なんだろうか?
結論から言うと「自分の頭で考えることのできる人」が現時点での回答
まあ、未来なんてその時になってみないとわからない複雑なものなのでわからないけど
今の時代で起きている事象としてはITとかロボットによってものすごく繰り返し行う仕事は減ってきてきてる
つまり、あんまり頭を使わずに仕事をする業種に関しては劇的に仕事が減っていた時代になってきたってこと
なので従来の「言われたことだけきちんとこなせる人間」に対してのニーズがぐっと減ってきてきてる
だから、AIとかが苦手な分野を人間がやればいいとというのがよくある話
じゃあどうすればそういう人間になれるの?というと
「好きなことを突き詰めてできる能力」が最も大事ということになった。
だから、個人個人にあった人間関係や学習の仕方を学校でも取り組むことによって次の社会で活躍できる人間を排出しようね、といった感じ
Youtubeだったいいじゃない、人と違ってもいいじゃないというのがドンドン現実になってきている
自分の価値観も見直しが必要な時期なんじゃないかな?
頭が悪いという概念は存在しない、あるのはやらないだけ
あともう一つ重要なのはいわゆる「頭の良さ」というものはないということ
今までの頭の良さは暗記と言われたことをやるが一番評価されたけど今度は違う
どのくらい他の人とコミュニケーションを取って何かを作り出せるか?
個人プレーじゃなくてコラボできるかという能力が大事になってきてる
なので、あんまり個人に対して頭がわるいみたいなことは関係ないと思う。わかんなかったらググったり人に聞けば解決するんだし、自分で完結して時間がかかるよりググってすぐに解決法を見つけて試すっていうのが大事って考えると余計にね
そんな感じで普段から考えていることがまとまったいい本だった
最後もまで読んでもう別の記事がかけそう笑